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木を植えた男/ジャン・ジオノ

木を植えた男

すぐれた人格者のおこないは、長い年月をかけて見定めて、
はじめてそれと知らされるもの。

作:ジャン・ジオノ 絵フレデリック・バック 訳:寺岡 襄 出版社:あすなろ書房 発行日1989.12

物静かな老人の姿を通じて人間の不屈の精神、心の寛大さ、たゆまない情熱を描いた絵本です。19世紀始めのフランス、ブロヴァンス地方の誰も足を踏み入れないような荒れた山脈が物語の舞台です。
どこまで行っても荒地と廃墟ばかりの地で、若者は一人の羊飼いの男に出会います。




廃墟で困り果てた若者に男は水と食料を分け、その夜の宿を提供しました。翌朝羊を放牧地へ連れ出したあと、男は奇妙なことを始めます。手にした鉄の棒を地面に突き立て穴を開け、その中に水にひたしたどんぐりを一つ一つ埋め込んでは土をかぶせているのです。
かれはカシワの木を植えていたのだ。
この荒れ果てた地に!
この不思議な男に興味を持った若者は、後をついていくことにしました…。

「あなたの土地ですか?」と聞くと
「いいや、違う」とかれはこたえた。
「だれのものだか知らないが、そんなことはどうでもいさ」と、
ただかれは、ていねいに、100粒のどんぐりを植えこんでいった。



それから5年経ち、第一次世界大戦が始まり世界中で恐ろしいことが起きている間も
かれは木を植え続けた。

やがてかれが植えた10万個の種のうち2万個が芽を出し、さらにその半分が成木となった。これを見つけた森林監視員は、この「自然の森」を視察し理屈を並べなにやら対策を決めた。
森が伐採され燃料の為の木炭にされてる間も、何十キロも離れた土地で       かれは木を植え続けた…。


男は挫折も味わった。神様は崇高な精神に更に試練を与えようというのか。
何万個もの種が全滅し、1本も芽が出ない年もあった。

しかし男は、それでも翌年また種を植えるのだった。

名もない老いた農夫が なんの報酬も見返りも求めず
ただひたすら荒れた大地に命を吹き込んでいる姿が心に刺さります。

自分はどうなのだろうか。

無償で尽くし与えることが出来るのだろうか。
傷つけられても許し 包み込むことが出来るのだろうか。
それはとても難しく 私は利己的な感情に振り回されてばかりです。

たった一人で その肉体と精神をぎりぎりに切り詰め
荒れ果てた地を 幸いの地としてよみがえらせた
かれを思うとき わたしはやはり、
人間のすばらしさをたたえずにはいられない。



やがて彼が育てた森の近くに村が再興され、畑や井戸ができすばらしい家々が建ちます。
人々は陽気に笑い、村には明るく華やかな空気が溢れています。

しかし人々は その幸せを、あの物静かな男に感謝しなくてはならぬはず。

安全な社会、豊かな暮らし、豊富な資源、自由な生き方や思想…
自分で手にしたかのように見えるその幸せは
誰かが苦労して困難を乗り越え作り上げた土台の上に成り立っているのです。

そのことを忘れずに
今の幸せを大事にしていきたいです。


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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

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